つい先日の沖縄
先日、例によって沖縄へ帰還してきました。
少しドライブしながら寄った真栄田岬というダイビングで有名なポイントが軽石で大変なことになっていました…。
この近辺には青の洞窟という有名なダイビングスポットがあります。
軽石はどこから?
そもそも軽石がどこで発生し、なぜ沖縄に流れついたのかを少し調べてみました。小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」が8月に噴火しました。噴火の規模は明治以降最大級の噴火で、噴煙の高さも1万6000メートル級です。飛行機の平均飛行高度が1万メートルなのでそれ以上の高さに上る噴煙です。この噴火で噴出したのが今回の軽石です。
なぜ沖縄に流れてきたのか?
海底火山が噴火した福徳岡ノ場と沖縄本島は約1300kmの距離があります。太平洋には黒潮という海流があります。通常、沖縄側から北海道側に流れるのが黒潮の流れです。
しかし今年は黒潮が大蛇行しています。どうやらこの影響で大量の軽石が、約2カ月かけて沖縄本島に流れてきたのではないかと言われています。
実際の軽石はこんな感じです。空気をたくさん含んでいる軽石、大きいものでは小型犬の頭位のサイズの軽石もあります。軽石といえば古い角質を削り落とす軽石をイメージするかもしれません。
今回流れ着いた軽石は少し力を加えるとシャリシャリと音を立てながら崩れ、砂のように粉々になります。某フリマサイトで数百円から数千円で取引されていましたが、輸送時に崩れる可能性があると注意書きがありました。軽石は粉々に崩れてからようやく海に沈むようです。
軽石の被害とは?
県内で報告されている被害として、小さな軽石を餌と間違えて食べてしまった養殖の魚500匹に被害が出ています。この他にも港から漁船が出られなかったり、定期運航便がストップしたり…。沖縄県の名産品であるモズクの養殖にも被害が出ているようです。今後この被害は全国に広がる可能性があると言われています。
沖縄に漂着した軽石は今後黒潮の流れに乗り、西日本、東日本へと流れていくと予測されています。これ以上被害が拡大しないことを願っています。
自然の力には逆らえない
今回、沖縄に漂着した軽石について書いている途中にふと思いました。火山噴火を繰り返し島が誕生し、やがて生命が誕生し、そして便利な世の中がいま存在します。この便利な世の中にいる私たちの視線からすると、軽石は不便な存在として捉えられてしまいます。
しかし、自然の力はコントロールできません。自然の力に逆らわず上手く付き合うことが、私たちに求められることではないのかと思ったりします。
自然は絶えずわれわれと語るが、その秘密を打ち明けはしない。われわれはつねに自然に働きかけ、しかもそれを支配するなんらの力もない。
ゲーテ
時として…自然は感傷主義には頓着しない。自然は自己の目的に達するためには、人間の徳性を踏みつけて通る
ローラン
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