つい先日の沖縄
沖縄への帰省便は16:20発、夕日の沈む方向へ飛ぶ飛行機はいつまでたっても日が沈みません。現在(2月1日)の沖縄の日の入りは18:12です。今年の冬は例年とは違い、日中20℃を超えることが多い沖縄本島です。
沖縄では1月中旬にもなると桜が開花しますが、本土の桜とは異なる種類の”カンヒザクラ(寒緋桜)”がこの時期に開花します。カンヒザクラはバラ科サクラ属の樹木で、台湾や中国南部が原産です。ソメイヨシノ(染井吉野)に比べると花は濃いピンク色、つり鐘状の花を下向きに花を咲かせます。
またカンヒザクラは別名”ガンジツザクラ(元日桜)“ともいいます。旧暦の正月(この記事を書いている2月1日)に開花することから、このような別名で呼ばれることもあります。ちなみに沖縄は旧暦の正月という文化を継承している地域もあります。
南下する沖縄の開花
さて、本土の桜の開花は南の暖かい地域からはじまり、次第に北上しながら関東では3月下旬から、本土最北の青森県ではGW位までが見頃となります。しかし、沖縄の桜は北部から咲き始め、中部そして南部へと南下していきます。
そんな話をすると、上司から「それはなぜ?」と聞かれるも質問に答えられず…。早々に調べてみることに(みるはめに)…ならばいっそのこと記事にしようと。調べたところ、植物が花を咲かせる過程において、”春化“(しゅんか)という作用が必要だそうです。簡単に説明すると、以下のような流れで開花をします。
春化作用(しゅんかさよう)
- 蕾①は寒さを体験
- 寒さを体験した蕾②が光にあたり気温が上昇
- 開花する
所変われば
本土の場合、温かい九州でも積雪があるように本土全体が冷え込みます。そのため、桜も一律に寒さを体験します。そのあと九州地方から桜の開花がはじまり、北上していきます。
一方、沖縄は年中暖かいので、春化作用がちょっと変わっています。年間で最も冷え込む旧暦の正月に沖縄にも大寒波がやってきます。県内で最も冷え込むのが北部地区です。冷え込んだ北部地区の桜の蕾がいち早く寒さを体験します。その後、北部の桜から開花し、桜の開花は中部地区、南部地区へと南下します。
これは、いわゆる「所変われば品変わる」って奴ですよね。土地が変わればいつもは当たり前と思っていることも違ってくる。土地によって風俗や習慣・産品・いろいろなことが、自ずから違ってくる。そういったところに疑問を感じ、自分で確かめてみることが大事かもしれません。
新型コロナ感染症の影響
例年ならば桜祭りで賑やかな沖縄北部地区にある名護城(なんぐすく)ですが、今年の桜まつりは新型コロナウイルスの影響によるものか、開催していませんでした。そのため桜を見に来る人もまばらでした。
ちなみに本土では桜の時期になると、桜の木の周辺にレジャーシートを広げて、みんなで食事やお酒を飲みながらお花見をすることも多いと思いますが、沖縄ではこのような花見の習慣はなく、桜を見ながらの散歩が定番となっています。
本土でも来月末には桜が咲く時期がやってきますね。私は都内の寒さにようやく慣れてきたのですが、こうして沖縄に帰省する度にリセットされて、結局また寒さに弱くなっています。そんな寒さにはヒーター付き、モバイルバッテリー駆動のベストが役立っています!
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